疲れにくい体の秘密は”酸素の使い方”にあった──ISCSが注目するVO₂Maxという可能性

目次

はじめに ロードバイクで「もう少しだけ粘れたら」と思ったことはありませんか?

長い坂の途中で、じわじわと脚が重くなってくる感覚。

先頭集団についていけたはずなのに、ラスト数キロで力が尽きてしまう悔しさ。

ロードバイクに乗っていると、こんな場面に誰しも一度は直面するのではないでしょうか。

脚力をつけたい。心肺を鍛えたい。

そう思って練習量を増やしても、なかなか「粘り」が出てこない、という方は少なくないと思います。

そこで今回ISCSが注目しているのが、最大酸素摂取量(VO₂Max)というキーワードです。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、

これがロードバイクの「疲れにくさ」と深く関係していると、

私たちは感じています。

まだ数値で完全に証明できているわけではありませんが、

だからこそ一緒に体感しながら確かめていきたい──そんな思いでこの記事を書きました。

第1章 最大酸素摂取量(VO₂Max)って何だろう?

最大酸素摂取量とは、運動中に体が1分間に取り込んで使える酸素の最大量のことです。

単位は「mL/kg/分」で表され、体重1kgあたり・1分間に何mLの酸素を消費できるか、を示しています。

最近ではApple WatchなどのスマートウォッチでもVO₂Maxを計測できるようになり、

アスリートだけでなく一般の方にも馴染みが出てきました。

なぜこの数値が重要なのかというと、

VO₂Maxが高いほど、同じ運動強度でも体への負担が小さくなるからです。

たとえば、最大酸素摂取量が低い人がある坂を登るとき、

体は限界近くまで酸素を使い切って必死に動いています。

一方、VO₂Maxが高い人は、同じ坂を登っても余裕がある。

その「余裕」こそが、ラストスパートへの温存につながるのです。

第2章 肺だけじゃない。酸素を活かす”チームワーク”の話

「肺活量を鍛えれば酸素をたくさん取り込める」──そう思いがちですが、

実はVO₂Maxは肺の大きさだけで決まるものではありません。

酸素が体に取り込まれて、筋肉のエネルギーに変わるまでには、次のような流れがあります。

1. 肺 外の空気から酸素を取り込む
2. 心臓 酸素を含んだ血液を全身に送り出す
3. 血管 血液を筋肉のすみずみまで届ける
4. 筋肉(ミトコンドリア) 届いた酸素を実際にエネルギーに変える

この4つのどこか一つがボトルネックになると、全体のパフォーマンスは頭打ちになります。

たとえば肺が大きくても、心臓が一度に送り出せる血液量(心拍出量)が少なければ意味がありません。

逆に心臓が強くても、筋肉の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアが少なければ、酸素を受け取りきれない。

VO₂Maxとは、この4つが連携したときの”チーム全体の実力値”なのです。

第3章 栄養素に似ている? 1つだけ鍛えても意味がないワケ

ここで少し、栄養の話に例えてみたいと思います。

栄養学では、7大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維・水)が

バランスよく揃って初めて体の中で機能すると言われています。

たとえばたんぱく質をたくさん摂っても、それを代謝するためのビタミンB群が不足していたら、

うまく体に活かせない──そんな関係です。

VO₂Maxの仕組みも、これによく似ていると感じます。

肺だけ、心臓だけ、血管だけ、筋肉だけを鍛えても、

それぞれがバラバラに動いていては酸素の流れはスムーズになりません。

全員が連携して初めて、酸素を最大限に活かせる体になる。

だからこそ、「どこか一点を鍛える」のではなく、この流れ全体を底上げするアプローチが必要になってくるわけです。

第4章 低酸素トレーニングが体に何をしているのか

低酸素トレーニングとは、通常より酸素濃度の低い環境の中で運動することです。

「なぜわざわざ酸素を減らすの?」と思うかもしれません。

酸素が薄い環境に置かれると、体は生存本能として「なんとか酸素を確保しよう」と反応し始めます。

心臓はより効率よく血液を送ろうとし、筋肉はより少ない酸素で動けるよう適応しようとします。

また、細胞レベルではミトコンドリアが増え、酸素を活かす力が高まることが期待されます。

つまり、低酸素環境は体に「酸素の使い方を学ばせる」刺激になる、と考えることができます。

一般的にヘモグロビンの増加を期待されることもありますが、

それよりも心肺機能や筋肉の酸素利用効率など、チーム全体の底上げに効いてくるのではないか──

ISCSではそのように感じています。

第5章 VO₂Maxと寿命の関係──研究が示す意外な事実

少し話が広がりますが、これはぜひお伝えしたいことです。

近年、最大酸素摂取量と健康寿命・死亡リスクの関係を調べた研究が世界中で発表されており、

その結果が注目を集めています。

アメリカ心臓協会(AHA)は公式声明のなかで、

心肺持久力(=VO₂Maxで測れる能力)を「喫煙・高血圧・高コレステロール・2型糖尿病などよりも、

死亡リスクをより強く予測する指標になりうる」と発表しています。

また、医学誌JAMAに掲載されたメタ分析では、

VO₂Maxが1MET(約3.5mL/kg/分)上がるごとに、

死亡リスクが13〜15%低下するという結果が報告されています。

さらに、JACC(米国心臓病学会誌)に掲載された46年間にわたる追跡調査では、

VO₂Maxが高い人ほど長生きをする傾向があり、

VO₂Maxが1mL/kg/分上がるごとに平均寿命が約45日延びるという関連性が示されました。

もちろん、これらの研究結果はあくまで「関連性」であり、VO₂Maxだけがすべてを決めるわけではありません。

睡眠・食事・ストレスなど、健康に影響する要素はたくさんあります。

ただ、確かなことが一つあります。

体が酸素を効率よく使える状態にあるということは、心臓・血管・筋肉が健康に機能しているということ。

それは、スポーツのパフォーマンスだけでなく、日々の生活の質や、長く元気でいられることにも深くつながっている

──研究はそう示唆しています。

ロードバイクを楽しみ続けるために体を鍛えることが、実は人生全体の健康にも貢献しているかもしれない。

そう思うと、少し嬉しくなりませんか?

第6章 ISCSに低酸素発生装置がある理由

ISCSでは昨年から、スクールのレッスン用として低酸素発生装置を導入しています。

正直に言うと、「これをやったから数値がこう変わった」と断言できるデータをまだ持っているわけではありません。

生徒のみなさんに計測器を使って証明するところまでは、今の段階では難しい状況です。

それでも、私たちがこの装置を取り入れているのは、「体の感覚が変わる」という実感があるからです。

ロードバイクで長距離を走るとき、心拍数が上がりにくくなった気がする。

同じペースでもきつさが違う。

息の回復が早くなった──そういった感覚的な変化を、まずは体で感じてほしいのです。

数値は後からついてくる。私たちはそう信じています。

ISCSでは低酸素発生装置のをご利用いただけるレッスンや、低酸素発生装置の使用するサービスも行っています。

ご興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。一緒に、この可能性を確かめていきましょう。

第7章 ISCSで低酸素トレーニングを体験する方法

① セミパーソナルレッスン中に低酸素オプションを追加する

講師と一緒に行う90分のローラーレッスンに、低酸素オプションをプラスできます。

  • 料金: ローラーレッスン代+1,000円
  • 時間: 90分
  • 特徴: 講師がそばにいるので、低酸素環境に初めて挑戦する方にも安心です。体の状態を見ながら強度を調整でき、正しいフォームや負荷のかけ方も確認してもらえます。「まずは一度試してみたい」という方にもおすすめです。

② 低酸素トレーニング 月間利用プラン

より継続的に低酸素トレーニングを取り入れたい方向けの、自主練習スタイルのプランです。

料金

  • 月払い:11,000円/月
  • まとめ払い:30,000円(3ヶ月分)

利用内容

  • 1回1時間(予約制)
  • 1ヶ月に最大8回まで利用可能

研究によると、効果が期待できる目安は週に1時間✕4回程度から。 月8回の枠をうまく活用することで、この水準に近づけることができます。

施設・環境 低酸素発生装置のほか、ズイフト・ローラー台・ワットバイクなどのトレーニング機材を自由にお使いいただけます。スタッフが常駐していますが、レッスン形式ではなく自分のペースで黙々と取り組める、練習環境の提供スタイルです。やることが決まっていてひとりで集中したい方に向いています。


どちらのプランも、ご予約・ご質問はISCSまでお気軽にどうぞ。まずは体験してみることが、一番の近道です。

おわりに 数値より先に、まず体で感じてほしい

VO₂Maxという言葉は難しく聞こえますが、その本質はシンプルです。

「酸素を上手に使える体は、疲れにくい。」

ロードバイクで最後の坂を笑顔で登りきれる体。

仲間と一緒にゴールまで力を残しておける体。

そのための1つの鍵が、最大酸素摂取量を高めることにあると、ISCSは考えています。

まだ証明の途中です。

でも、確信はあります。

ぜひ一緒に体で感じて、その答えを見つけていきましょう。

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